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技術キーワード
可変ピッチプロペラによる安全運航と省エネルギー

優れた操船性で安全性が向上
航走条件に最適な制御で経済性が向上
環境にやさしい動力システムの構成

優れた操船性能

可変ピッチプロペラ(CPP: Controllable Pitch Propeller、以下 CPPと記述)は、船の全速から微速、停止、後進の全範囲の運転に対して、翼角の制御だけで前後進の必要な速度が簡単に得られます。自動車なら、オートマチック車のようなものです。

CPPは、翼角を制御するだけで、前進全速から後進全速までの全範囲で、任意の船速を無段階に得られます。

固定ピッチプロペラ(FPP: Fixed Pitch Propeller、以下 FPPと記述)では、主機関の最低回転数が制限されるので、連続して出せる船速は下図のようになり、微速での連続運転はできません。

無理のない運転で経済性が向上

積荷の状況、向い風や向い潮、追い風、追い潮などの海況、船底の汚れ等により、推進に必要な出力は常時変動します。
CPPはこれらの負荷状況に合わせてピッチを調整して、主機関を無理なく運転することができます。

積荷が多く喫水が深くなると船体抵抗が増大し、また向い風や向かい潮の場合は、船速を維持しようとすると推進に必要な出力は増加します。
CPPでは、その状況に合わせて翼角を小さくすることにより、主機関を楽な状態、すなわち燃費が良いところで運転できるので、約5?10%の省エネルギーとなり経済性が向上します。

CPPは、船の用途や航走条件、負荷条件に合わせて、主機関の特性を有効かつ最大限に活かして省エネルギーを図ることが簡単にできます。このため各種の制御システムが用意されています。

ALC(Automatic Load Control)

主機関の出力と燃料消費率特性をもとに設定した目標負荷ラインになるよう、プロペラピッチを自動的に制御して運転するシステムです。

ASC(Automatic Speed Control)

設定した船速に対して、船速が変化した場合、回転数を一定にして翼角を調整、または翼角を一定にして機関回転数を調整して、自動的に船速を一定にするシステムです。

PGM(Program Control)

あらかじめ、最適な翼角や回転数の制御手順を設定して、操縦者が急激な翼角制御を指令しても、機関に無理がかからないようにするシステムです。

環境にやさしい推進システム

CPPを使うと、主機関は一定回転数で翼角制御だけで運転ができます。燃料消費率の良い主機関で発電機や油圧機器等を駆動する動力システムが構成できるので、補機関の運転は必要がなくなり燃料消費量を節減できます。

結果として、主機関から排出される炭酸ガス(CO2)や窒素酸化物(NOx)が低減されるので、環境にやさしい推進システムとなります。

優れた急速停止性能による安全性の向上

船体の急速停止は、CPPでは、回転数をそのままで、プロペラピッチ(翼角)を前進から後進(あるいはその逆)に制御するだけなので、短時間かつ短距離で船体を停止できます。
この停止距離は、FPPに比較すると約半分になります。急速停止が短距離でできることにより、操船性の向上とともに緊急時の安全性が向上します。

FPPの場合、急速停止

  1. 回転数低下
  2. クラッチ制御(前進→中立→後進)
  3. 回転数上昇

の制御になりますが、船の行き足があるため、プロペラの回転数の低下と後進回転数の上昇に時間がかかり、船体停止までの距離が長くなります。


狭水路や船舶が多い港内で衝突防止等、緊急時の船体停止の制御が確実にできるので安全性が高くなります。

CPP船は、船体停止が素早くでき、船体停止までの距離が大幅に短縮できます。

CPPを上手に使うと

  • 操船が楽になり安全性も高くなります。
  • 燃料消費量を節減でき経済性が良くなります。
  • 燃費が良くなるのでCO2やNOxも低減して、環境にやさしい推進システムです。
  • CPPの特徴は、電気推進船にも活かされます。

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PDF可変ピッチプロペラの上手な使い方 (A4/6ページ、0.7MB)


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